入会時の面談で「暗記が出来ない」という声をお聞きすることが多々あります。
ただ、実際入塾してから暗記科目が伸びない生徒はほとんどいません。(社会を受講していない生徒を除く)
個人的に塾を運営していて本当に「暗記が出来ない」生徒はまずいません。ではタイプ別に見ていきましょう。
【暗記が出来ない(と思い込んでいる)生徒のタイプ分け】
①「暗記する」という「作業時間」が不足している…40~50%
②「暗記方法」が間違っている…5~10%
③「インプット(覚える)」しかしていない…40~55%
④ 能力的な要因で暗記が出来ない…0.00~0.01%(もしかしたらいるかも知れないので0.01%)
まず、①は理系タイプに多いタイプです。「考える勉強は嫌いではない」が「単純暗記が面倒」というタイプです。解決方法は「缶詰状態にして覚えるまでさせる」ことです。
そして②のタイプは具体的に言うと例えば「student」を「s」を書いてまた次のアルファベットを見て「t」を書き、次のアルファベットを見て「u」を書いて、、、というタイプです。例えば感じで考えて下さい。「秋」という漢字を覚えるのに「ノ」と書いて、「秋」を見て「一」と書いて、また「秋」を見て「|」を書いて、、、これではどれだけ書いても絶対に覚えられません。少なくとも書いて覚える際に「student」という綴りを一旦頭に入れ、何も見ずに書ききる。間違えていれば書き直せば良いのです。頭に「インプット」し紙に書くことで「アウトプット」する、この繰り返しが最初のうちは正解です。
ただ、私たちが例えば「鰯(いわし)」という漢字を覚えるとき、「魚」に「弱」だなと覚えるはずです。先ほどの「秋」なら「禾(のぎへん)」に「火」だな、と。実は英単語も少しずつこれと似てきます。例えば「bought」で「買う(buy)の過去形」と覚えるのですが、「thought→思う(think)の過去形」、「taught→教える(teach)の過去形」と覚えていくうちに「〇〇ウト」という発音が「~ught」という法則性を掴んでいきます。よってだんだんと単語ごとに「~aught」だったかな、「~ought」だったかな、と選択肢が限られた中での暗記に変わっていくのです。「station」の「~tion」もそうです。最初は誤って「~shon」や「~cion」と書くかもしれません。でも「infomation(情報)」「tradition(伝統)」など「〇〇ション」という音は「~tion」と覚えるはずです。「魚」に「弱」のように、「sta(ステイ)」に「tion(ション)」と組み合わせで覚えるようになります。ある程度の単語量が身についてからの話ではありますが。
そしてもしかすると一番多いのが③です。このタイプは
・教科書やノートを一定時間眺める
・ノートに覚えるワードを写しまくる
・ノートをまとめ直す
という行動に出ることが多いです。「ノートをまとめ直す」というのは試験2~3週間前で「どうしてもこの江戸三大改革が覚えられない」「どうしてもロシア革命から原敬内閣誕生までの流れが覚えられない」というピンポイントの「ノートのまとめ直し」は全然問題ありません。ただ一方で試験1~2日前にやることではありません。やるべきは「アウトプット=問題を解く」ことです。
(1) 問題を解く
(2) 間違えた問題だけを覚えなおす
(3) 正解になった問題は試験1~2日前なら「無視する」
(4) 間違えた問題を解きなおす
(2)の「間違えた問題」こそが試験までに覚えな直さなければならないワードのはずです。③のインプットだけをやって暗記が完了した、暗記科目の勉強をしたと勘違いするタイプは、
「試験本番でちゃんと覚えていたワードと覚えきれていないワードを認識する」
ということになります。「アウトプット=問題を解く」を事前にやって「覚えているワード」と「まだ覚えきれていないワード」の仕分けをしてから「まだ覚えきれていないワード」だけを最後の最後まで覚え切ろうとする子には絶対に勝てません。極めて単純なことですが陥りがちなミステイクです。
最後の④ですが、物事には例外があるものだとは思います。ただこの塾をやり始めてから「能力的に覚えることが出来ない」生徒には出会ったことがありません。もちろんその子なりの完璧な仕上がりでも70点台の子もいれば100点をとる子もいます。それは得手不得手の範疇ではないかと思います。70点台の子ももっと早く準備を始めれば90点に届くかも知れません。しかし5教科ある中でどちらかと言えば得意ではない暗記科目に限られた時間を割いて得意科目に影響が出ないとも限りません。要は苦手であっても「平均点プラス10点」に収めることが大切です。
暗記科目は「覚えるんだ!」という「心掛け」も時間効率からも大切です。しかし「覚えるまでは帰さん!!」という指導する側のある種の覚悟(言い方は「覚えるまでとことん一緒にやろう!」ですが、、、)を見せることで「あぁ、やらんと終わらんな、、」と諦めて腹をくくってくれるものです。来週より「monoxer」というアプリを導入し、毎日暗記の作業を自宅でやってもらうことになります。(やってないとリアルタイムで塾が把握しているのでアプリ上で「今すぐやれ」と伝えることができる。また正答率が低いと何度もランダムに問題が作り替えられ、100%の正答率までさせることができる)
試験まであと1ヶ月。オンライン授業の成果を出す時が来ました。全員が笑顔で点数を教えてくれる状態に必ずやしたいと思います。